健康を気づかって、「化学調味料無添加」のコンソメを選んでいる方も多いと思います。
ところで、化学調味料無添加のコンソメなのに「何となく味に違和感を覚える」とか、「後味がすっきりしない」といった経験、ありませんか?
化学調味料だけが無添加のコンソメでは、本当の意味で無添加のコンソメとは言えません。
たとえ化学調味料は無添加でも、その代わりとして「不自然な味」である調味料が入っているからです。
もくじ
無添加コンソメなのに不自然な味。理由は酵母エキス
化学調味料無添加のコンソメにもかかわらず、何となく味がすっきりしないと感じたら、その理由は、原料に入っている「酵母エキス」にあります。
酵母エキスは「うま味」を作り出す人工的な調味料です。
原料は自然由来ですが、加工して特定のうま味成分だけで出来あがっている、自然界では存在していない調味料です。
そのため自然の味が分かる方は、酵母エキスが入っているコンソメに、不自然な味を感じるのです。
限りなく化学調味料に近い酵母エキス
酵母エキスは化学調味料ではありません。
しかし酵母エキスは、限りなく化学調味料に近いものと言えます。
なぜなら酵母エキスには、化学調味料と同じく「濃くて刺激が強いうま味」があるからです。
濃くて刺激が強い味付けは、食べ続けたり食べ過ぎたりすることによって、たとえば
「繊細な味がわからなくなる」
「味覚障害を引き起こす」
「味覚が鈍ってしまう」
といった問題があります。
特に小さいお子さんは、大人と比べて味覚が未成熟です。
健全な味覚を育てるためには、幼いころから濃くて刺激の強い味に慣れさせてしまわないよう、気を配ることが大切です。
酵母エキスが使われているコンソメを習慣化しないよう、心がけましょう。
安心できる離乳食・ ベビーフードおすすめ8選無添加コンソメの選び方
原材料名に、化学調味料が表示されていないことをチェック
まずは、化学調味料が入っていないことをチェックしましょう。
コンソメで使われている化学調味料の代表には、「調味料(アミノ酸等)」があります。
原材料名に調味料(アミノ酸等)と表示されていたら、化学調味料が入っているコンソメです。
原材料名に、酵母エキスが表示されていないことをチェック
すでにお伝えしたことですが、酵母エキスには、化学調味料と同じ問題が潜んでいます。
「化学調味料無添加」と表示されていても、原材料名に酵母エキスと表示されていたら避けましょう。
原材料名に、エキス類が表示されていないかチェック
一般的なコンソメには、酵母エキス以外にも、様々なエキス類が入っています。
たとえばチキンエキス、オニオンエキス、ビーフエキス、野菜エキスなどです。
こうしたエキス類は、肉や野菜をコトコト煮出して作られたものとは限りません。
食品添加物を使うといった、化学的な方法によってエキスを抽出している場合もあります。
たとえ食品添加物を使っても、食品に残る添加物が微量であれば、添加物の表示は免除できることになっています。
そのため無添加のコンソメと表示されていても、もしかしたらエキスを抽出するときに食品添加物が使われているかもしれません。
エキスの抽出が、コトコト煮出す方法なのか、食品添加物を使った化学的な方法なのか、見極めることは困難です。
無添加にこだわるのであれば、エキス類が使われているコンソメは、できれば避けることをおすすめします。
無添加コンソメおすすめ4選
前田家 チキンコンソメ
国産原料だけで作られた完全無添加のキンコンソメだしパックです。
前田家(MAEDAYA)さんは、「自分の家族に食べさせたいと思うような安心・安全な商品づくり」を行っているメーカーです。
自社に商品選定基準を定め、その基準に基づいて厳しい審査を行い、クリアした商品のみを「Rich life(リッチライフ)」というオリジナルブランドで提供しています。
Rich lifeは「国産、無添加、安心・安全」に関する以外にも「善意に基づいていること」「素材の味・良さが活かされていること」など、10項目 + αの商品選定基準を定めています。
「子供に、そして大切な人に、安心・安全なものを食べさせたい。」
そんな想いから生まれた前田家さんの国産・完全無添加のチキンコンソメだしは、「Rich life(リッチライフ)」ブランド商品の1つです。
原材料は、山口県産の長州鶏と国産野菜(玉ねぎ、人参、キャベツ、セロリ)。それらを特許製法で作っています。
食塩、化学調味料、酵母エキス、蛋白加水分解物なども使わず、自然素材だけでできた安心安全のチキンコンソメ。
野菜スープなどの様々な料理のベーススープとして、また、だしパックをハサミでカットして中の粉を調味料としても使えます。
◎粉末タイプ
「前田家さんの国産・完全無添加 チキンコンソメ」を使ったレシピ例
【原材料】
鶏肉(山口県産)、玉ねぎ(国産)、キャベツ(国産)、人参(国産)、セロリ(国産)、おから(国産)、(一部に鶏肉・大豆を含む)
【栄養成分】 6gあたり
エネルギー:21kcal/たんぱく質:4.2/脂質:0.1g/炭水化物:0.7g/食塩相当量:0.02g/カリウム:98mg
光 チキンコンソメ
光食品さんは、1946年創業(当時は個人商店)の歴史あるメーカーです。
「美味しくて安全な食品を作りたい」という一心からスタートし1964年には、合成添加物を一切使わない「超特級ヒカリソース」を発売。
1970年代には日本で初めて有機のウスターソースを発売するなど、早くから安心・安全を意識しています。
また太陽光発電や最新の排水処理装置などを導入した、「環境保全型工場」を建設。環境に優しい食品づくりを行っています。
さらに2001年からは有機農業の普及や発展に貢献するため、内に農業部門を立ち上げ有機野菜や果実の栽培も行っています。
光 チキンコンソメは、飼育方法にこだわった国産若鶏のスープがベース。
国産有機野菜と有機醤油をあわせ、添加物を必要とする顆粒タイプではなく、液体タイプにこだわって作られています。
- とりがらスープに使われている国産若鶏は、ワクチン以外の抗生物質や抗菌剤を使用せず、遺伝子組み換えされていない植物性中心の飼料で育てられています。
- たまねぎ、にんじん、キャベツ、セルリーは100%国産有機。
- 醤油は国産有機丸大豆(遺伝子組み換えでない)と小麦により醸造、1年以上熟成させた有機本醸造醤油。
- 食塩はシママース。
- 砂糖は国産粗糖。
- 保存料、着色料、化学調味料、たんぱく加水分解物、酵母エキスは不使用。
◎液体タイプ
【原材料】
とりがらスープ、食塩、醤油(有機)(大豆、小麦を含む)、砂糖、たまねぎ(有機)、にんじん(有機)、キャベツ(有機)、セルリー(有機)、香辛料
【栄養成分】1袋(10g)あたり
エネルギー:2kcaL/たんぱく質:0.3g/脂質:0g/炭水化物:0.2g/食塩相当量:1.4g
秋川牧園の冷凍食品 とりがらスープ
1932年創業の秋川牧園さんは、“つくる人”と“食べる人”とが、ともに幸せになる農業を追求し、食べる人の健康、食の安全性を第一に考えた食品づくりを行っている老舗です。
秋川牧園の若鶏に与えられるエサには、肉骨粉や油脂などの動物性原料は使用されていません。
非遺伝子組み換え・農薬不使用の植物性飼料が使用されています。
また健康的な環境でしっかり運動させながら、元気に育てることにより、ヒヨコの時から抗菌剤、抗生物質を一切与えない無投薬飼育を、日本で初めて確立させることができています。
飼育する動物自身の健康を大切にする。秋川牧園さんの、食づくりに対する基本的な考え方の一つです。
秋川牧園さんで健康に育てられた若鶏の鶏ガラを、水だけでじっくり煮出し、塩を加えた5倍濃縮のとりガラスープです。
仕上げに遠心分離器で脂やアクが除去されているので、透き通っています。
◎液体タイプ
【原材料】鶏骨、食塩
【栄養成分】50gあたり
エネルギー:7kcal/たんぱく質:1.6g/脂質:0/炭水化物:0.2g/食塩相当量 1.4g
天然素材の 無添加だし スープ・スープ
スープ・スープは、こんな方に向いています。
- 健康に気をつかう方
- 栄養の偏りが気になる方
- 生活習慣が乱れがちな方
- 体の調子を崩している方
- いつまでも若々しくありたい方
スープ・スープは、天然素材だけで作られた「無添加の粉末だし」です。
一般的なコンソメとは異なり、魚がベースになっています。
主原料は日本近海産のカタクチイワシ、カツオ、無臭にんにく、北海道産の昆布。
魚は頭から尻尾まで、無臭にんにくは皮までなど、素材をまるごと使用しています。
エキスの抽出は化学処理を一切行わず、じっくり煮込んで粉末に仕上げられています。
また脂肪分や重金属といった、魚の有害物質や不純物も除去されています。
さらに、納豆菌由来の酵素様ペプチド(ENM)と無臭ニンニクによって、自然免疫力と代謝を高める工夫がなされています。
「ペプチド」は、体に欠かせないタンパク質を作る素となる成分で、カルシウムや鉄の吸収率を高め、体内のバランスを整える力があります。
◎パウダータイプですので、すぐに溶けて使いやすいのも特長です。
【原材料】
でんぷん分解物(キャッサバ芋・タイ)、イワシ(福岡・長崎県近海)、カツオ(鹿児島県近海)、昆布(北海道)、無臭ニンニク(山口県)、ENM(エンザミン・酵素様ペプチド)
【栄養成分】100gあたり
エネルギー:368kcal/たんぱく質:4.9g/脂質:0g/炭水化物:87g/食塩相当量:4.064g/カルシウム:191㎎/灰分:4.6g
豆知識:コンソメとブイヨンの違い
「ブイヨン」は肉やスパイス、ハーブなどを長時間煮込み、最後に漉して作られる洋風のだしのことです。
だしなので、塩などの調味料で味付けされていません。
一方の「コンソメ」は、ブイヨンをベースに、さらに肉や野菜などを入れて煮込んだ後、具材を濾して塩などの調味料で味付けしたスープです。
ブイヨンとコンソメの違いをまとめると、ブイヨンは味付け前の洋風だしで、コンソメは、ブイヨンに味付けをして出来上がったスープです。
ところで理由は分かりませんが、市販のブイヨンは、ほとんどが塩や香辛料などの調味料で味付けされています。そのため、コンソメとブイヨンは同じものと誤解している人も多いようです。
豆知識:原材料名の表示順で見えてくること
食品の原材料名は、入っている割合の多いものから順に表示するルールがあります。
市販されているコンソメの原材料名をチェックすると、多くは食塩や乳糖、砂糖といった調味料が、一番はじめに書かれています。
これは原材料の中で、食塩や砂糖の割合が、肉や野菜などのエキスより多いことを示しています。
実際、市販されているコンソメは、食塩と砂糖が50%以上を占めているという調査結果もあります。
その調査によれば、コンソメの中身は半分以上が食塩や砂糖で、次に多いのが化学調味料。肉や野菜などのエキスは、ごく少量入っているだけということです。
一般的なコンソメと無添加コンソメの原材料を比較
参考までに、市販の一般的なコンソメと、無添加コンソメの原材料を比較してみましょう。
原材料名はすべて、入っている割合の多いものから順に表示されています。
無添加表示なしのコンソメ
A社(固形タイプ)
食塩、乳糖、砂糖、食用加工油脂、野菜・肉エキス(はくさいエキス、チキンエキス、酵母エキス発酵調味料、ビーフエキス、食用油脂)、香辛料、野菜エキス、しょうゆ、果糖、酵母エキス/調味料(アミノ酸等)、加工でん粉、酸味料、(一部に小麦・乳成分・牛肉・大豆・鶏肉を含む)
K社(チキンコンソメ 固形)
乳糖、食塩、鶏肉、酵母エキス調味料、食用加工油脂、チキンエキス、チキンファット、たまねぎ、粉末しょうゆ、酵母エキス、香辛料/調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、酸味料、(一部に小麦・乳成分・大豆・鶏肉を含む)
無添加表示ありのコンソメ
N社(顆粒)
食塩、シーズニングパウダー(デキストリン、トマトエキス、酵母エキス、チキンエキス、その他)、砂糖、デキストリン、酵母エキス、昆布エキス、香辛料(ガーリックパウダー、ローレル、黒こしょう)、でん粉、米油(一部に小麦・鶏肉を含む)
Y社
食塩、乳糖、チキンエキスパウダー、酵母エキス調味料(食塩、酵母エキス、砂糖、香味油、粉末醤油、乳糖、粉末野菜、野菜エキス、果実粉末、香辛料)、酵母エキスパウダー、ビーフエキスパウダー、玉ねぎ調味料、野菜エキスパウダー、香辛料/加工デンプン
無添加(化学調味料 酵母エキス 蛋白加水分解物なども不使用)のコンソメ
H社
とりがらスープ、食塩、醤油(有機)(大豆、小麦を含む)、砂糖、たまねぎ(有機)、にんじん(有機)、キャベツ(有機)、セルリー(有機)、香辛料
まとめ
「無添加」のコンソメなのに、味がスッキリしないと感じたら、それは「本物」の無添加コンソメではありません。
「化学調味料無添加」と表示されていても、原材料名に酵母エキスと表示されていたら避けましょう