ハムは、開封してそのまますぐに食べられることや、料理のアレンジにも使いやすいことから、おかずやおつまみとして、便利に利用している方は多いと思います。
一方で、ハムには添加物が多く使われていることから、食べるのを控えている方や、添加物を気にしながら食べている方がいると思います。
そこで、ここでは、無添加のハムを紹介します。
無添加ハムのメーカーさんは、加工だけではなく、原料となる豚にも安全性を追求し、様々な取り組みを行っています。
手間ひまかけて作られている無添加ハムは、お子さんにも安心して食べさせることができます。
もくじ
一般的なハムと無添加ハムの原材料を比較
一般的なハムに、どのような食品添加物が使われているかは、商品ラベルに表示されている「原材料名」で確認することができます。
一般的なハムと無添加ハムの原材料について、ロースハムを例にして、違いを比較してみましょう。
次の表は、一般的なロースハムに表示されている原材料名の例です。
S社 | 豚ロース肉(国産)、食塩、糖類(砂糖、ぶどう糖)、ワイン、香辛料/リン酸塩(Na)、調味料(アミノ酸)、酸化防止剤(ビタミンC)、発色剤(亜硝酸Na) |
---|---|
N社 | 豚ロース肉(アメリカ、カナダ、デンマーク、チリ、メキシコ、ポーランド、ハンガリー、フィンランド、ドイツ、スペイン、ブラジル産)、卵たん白、還元水あめ、食塩、大豆たん白、砂糖、豚コラーゲン、乳たん白/調味料(アミノ酸等)、リン酸塩(Na)、増粘多糖類、カゼインNa、酸化防止剤(ビタミンC)、発色剤(亜硝酸Na)、香辛料、コチニール色素、(一部に卵・乳成分・大豆・豚肉を含む) |
P社 | 豚ロース肉(デンマーク、ドイツ、カナダ、アメリカ産)、還元水あめ、大豆たん白、食塩、卵たん白、乳たん白、たん白加水分解物、調味エキス/カゼインNa、増粘多糖類、リン酸塩(Na)、調味料(アミノ酸等)、酸化防止剤(ビタミンC)、くん液、発色剤(亜硝酸Na)、カルミン酸色素、(一部に卵・乳成分・大豆・豚肉を含む) |
原材料名の中で、/(スラッシュ)の後に表示されている部分は食品添加物です。これを見ると分かるように、一般的なロースハムには、多くの食品添加物が入っています。
さらに添加物より前に表示されている「卵たん白」や「大豆たん白」などの「たん白」は、肉を増量させたり固めたりする材料です。
これらは食品添加物には分類されませんが、食品添加物の「増量剤」や「結着剤」と同じ目的で使われます。
たとえば増量剤を使うと、少ない量の肉でも大量にハムを作ることができます。
また結着剤を使えば、品質にバラつきがあって、肉同士がくっつき難い状態の原料肉でも、一定の品質のハムを作ることが可能になります。
つまり「たん白」などの材料を使うことで、低コストのハムを作ることが可能になるのです。
次は、無添加ロースハムの原材料名の例を紹介します。
H社 | 豚ロース肉(国産)、食塩、糖類(水あめ、砂糖)、香辛料、ポークブイヨン、昆布だし、椎茸だし、鰹だし、帆立だし、(一部に豚肉を含む) |
---|---|
T社 | 豚ロース肉(国産)、食塩、砂糖、切干大根、昆布 |
N社 | 豚ロース肉(国産)、塩、粗糖、香辛料 |
一般的なロースハムに比べて、無添加ロースハムの原材料はとてもシンプルです。
食品添加物はもちろん、増量や結着を目的とした「たん白」も使われていませんので、肉本来の味を楽しむことができます。
無添加ハムのメリット・デメリット
無添加ハムの色は、一般的なハムのように鮮やかではありません。人工的な着色料を使用していないからです。
そのため初めて無添加ハムを購入される場合、鮮度が落ちているのかと不安になる方がいるかもしれません。
このように無添加ハムには、一般的なハムと異なる点がいくつかあります。
そこで、無添加のハムを選ぶ前には、メリットやデメリットを知っておくと良いでしょう。
メリット
- 無添加なので、安心して食べることができる
- ハム(肉)本来の味を楽しむことができる
- 全般的に、素朴でやさしい味わい
- 時間をかけて丁寧に作らている
デメリット
- 色が鮮やかでは無い(くすんだように見えることがある)
- 一般的なハムとは食感が異なる(かまぼこのようにプリプリしていない)
- 丁寧に作られている分、価格が高い
- 保存期間や賞味期限が短い
- 一般的なスーパーではあまり販売されていない
無添加ハムおすすめ6選
ゆうぼくの里:無添加 ハム
「ゆうぼくの里」さんは愛媛県で牛・豚の牧場を運営。精肉・加工、商品化まで、すべて自社で行っているメーカーです。
おいしいものをおいしい状態で、安心して食べられるものを提供するため、余計なものは入れず、加工品もすべて無添加にこだわっています。
また製品づくりのこだわりは、加工だけでなく、材料となる牛や豚の飼育方法にも現れています。たとえば
・餌に成長促進剤・抗生物質を使わない。
・Non-GMO(遺伝子組換でない)の餌を使用する。
・時間をかけて丁寧にしっかりと育てる
といった取り組みです。
「命の恵みを、おいしくいただく。」「とびっきり美味しいものを食べて喜んでもらいたい」「ゆうぼくの里」さんは、そうした熱い想いにあふれています。
増量剤や発色剤といった添加物を使用していない「ゆうぼくの里」さんのハム・ベーコンは、淡い色をしています。素材の良さが生かされていますので、添加物で加工していない肉本来の味を楽しめます。
■原材料:豚肉(愛媛県産)、塩、三温糖、香辛料 ※三温糖にはカラメル色素は含まれておりません。
サイトウハム:無添加ハム
「サイトウハム」さんは、1976年創業当時から体にやさしい食品を手作りしているメーカーです。
食の「安全」を守るためには「原料から安全なものを使う」という考えのもと、身元が確かで健康な育て方をしている和牛や野豚、鶏を直接仕入れる「産直システム」を採用。
さらに熟成方法や製造方法にもこだわり、安心・安全心な無添加食品を製造しています。
「サイトウハム」さんの無添加ハム・ソーセージは、ドイツマイスターとの技術提携による手づくり製法で作られています。
原料となる信州安曇野放牧豚は、ストレスの無い環境で、ホルモン剤や抗生物質などの薬剤を使わない自家製配合飼料で育てられています。
添加物に頼ることなく、天然の副素材と氷温熟成技術によって作られた無添加ハム・ソーセージは、食品素材のもつ本来のうま味が十分に生かされています。
ハムの本場ドイツで行われる世界最高峰のコンテストをはじめ、様々な国際コンクールで金賞を受賞しているこだわりの無添加ハム・ソーセージは、ギフトにもおすすめです。
■原材料:
【ソフトウインナー】
豚肉(国産)、鶏肉(国産)、塩、粗製糖、香辛料、海藻粉末、(一部に豚肉、鶏肉を含む)
【ポークウインナー】
豚肉(国産)、塩、粗製糖、香辛料、(一部に卵、乳成分、豚肉を含む)
【パプリカリヨナスライス】
豚肉(国産)、塩、香辛料、パプリカ、(一部に豚肉を含む)
【ボロニアソーセージ】
豚肉(国産)、塩、粗製糖、香辛料、(一部に豚肉、乳成分、卵を含む)
【ベーコンスライス】
豚バラ肉(国産)、塩、粗製糖、香辛料、(一部に豚肉を含む)
平田牧場:日本の米育ち極みハム
「平田牧場」さんは「安全性に問題のあるもの、疑わしいものは使用しない」「無意味と思われるものは使用しない」という基本方針を持つメーカーです。
1964年の創業以来、安心安全でおいしい豚肉づくりのために、手間と時間をかけた製品づくりに取り組んでいます。
たとえば豚の飼育では、豚が自由に歩き回れるのびのびした環境や、遺伝子組み換えのない植物性中心の厳選された飼料で育てています。
加工面では、保存料をはじめ食品添加物を使用しないことから、生鮮食品を扱うように製品を作っています。
たとえば原料となる肉の鮮度から、機械や手の洗浄・消毒、クリーンルームと呼ばれる室内状況に至るまで、あらゆるところに目を配り、異常がないことを日々確認しています。
自社(平田牧場)の豚肉を使い、一切の化学合成食品添加物を使わずに仕上げた「平田牧場・無添加シリーズ」は、塩や砂糖などすべての素材にこだわって作られています。
原料の豚は日本のおコメを食べて育った「三元豚」。素材そのものの旨みや甘みを活かしつつ、日本の伝統的な調味料である出汁(だし)を使って、味の深みを引き出すように作られています。
■原材料:
【日本の米育ち極みハム】
豚ロース肉(国産)、食塩、糖類(水あめ、砂糖)、香辛料、ポークブイヨン、昆布だし、椎茸だし、鰹だし、帆立だし、(一部に豚肉を含む)
【極み生ハム】
豚モモ肉(国産)、糖類(水あめ、砂糖)、食塩、ポークブイヨン、昆布だし、椎茸だし、香辛料、鰹だし、帆立だし、(一部に豚肉を含む)
【極みベーコン】
豚バラ肉(国産)、糖類(水あめ、砂糖)、食塩、香辛料、ポークブイヨン、昆布だし、椎茸だし、鰹だし、帆立だし、(一部に豚肉を含む)
丹沢ハム工房:無添加ハム
丹沢ハムのブランドを持つ「中津ミート」さんは、美味しく安全な豚肉の生産をはじめ、臭い・汚水といった環境への配慮や管理する社員さんへの配慮、動物福祉の追及といった社会貢献を含め、日本の農業を発展させ日本の食を守ることを基本理念としているメーカーです。
豚の飼育では、薬剤が使われていない、非遺伝子組み換えの飼料を使用。さらに美味しい豚肉にするためサツマイモや大麦を飼料に加えています。
「中津ミート」さんのハム・ソーセージは素材に自信があるので、味付けはシンプル。
肉の味を充分に味わうために、塩、粗糖、香辛料という味付けです。発色剤、アミノ酸など添加物は一切使用されていないので安心です。
■原材料:豚もも肉(国産:丹沢高原豚)、塩(伊豆大島産)、粗糖(種子島産)、香辛料
えと菜園:「走る豚」の無添加ハム
「えと菜園」さんは、熊本県が拠点のオンラインショップです。農薬に頼らない安全で品質の高い農作物を、提携農家さんと協力して全国に直送しています。
それぞれの提携農家さんは、無肥料・農薬不使用での栽培や、オーガニック栽培など、農薬に頼らない作物づくりを行っています。
「えと菜園」さんが扱う無添加ハムやベーコンは、やまあい村(熊本県)の「走る豚」が使われています。
「走る豚」は、遺伝子組み換え飼料を使わず、熊本県菊池市の山中で、元気に育てられている豚です。
味付けに使う野菜は、農薬や肥料を使わない自然栽培の「熊本県産」を使用。塩は長崎県産の天然塩を使うなど、材料にもこだわっています。地元産の山桜や樫で燻し、10日以上の日数をかけて丁寧に作られています。
■原材料:
【ロースハム】豚肉(熊本菊池産「走る豚」)、千代の園赤酒、木屋の塩麹、食塩、トマト、ネギ、玉ねぎ、にんじん、大根、キャベツ、セロリ、アスパラ、にんにく、しょうが
【ベーコン】豚肉(熊本菊池産「走る豚」)、千代の園赤酒、木屋の塩麹、食塩、トマト、ネギ、玉ねぎ、にんじん、大根、キャベツ、セロリ、アスパラ、にんにく、しょうが、唐辛子
筑波ハム:無添加ハム
「筑波ハム」さんは、安全・安心にプラスして、最高の味、美味しさを求めて努力されているメーカーです。
創業者の中野さんは、当時お土産に受け取った手造りハムの味に魅了されて、ハム造りの道へと進みました。
「筑波ハム」さんでは、茨城県産豚ローズポークを使用しています。選ばれた養豚農家さんにより育てられいる豚は、良い飼料、良い環境でゆっくりと時間をかけるので、抗生物質などの薬品を使わなくても、健康に育ちます。
そうして育てられた良質の豚を、熟練した職人さんが丁寧に時間をかけて手づくりする、昔ながらの伝統的な製法にこだわっています。
「筑波ハム」さんの 無添加ム・ベーコンは、発色剤や食品添加物を使わず自然の素材から得た効果により、ゆっくりと熟成させて、作りあげられています。
無添加ロースハム:コクがある脂肪を適度に含んでいますので、さっぱりとした中にも旨味を強く感じることが出来ます。
無添加ボンレスハム:脂肪が少なく、ジューシーな味わい。あっさりとしているので、サラダやサンドウィッチなどのように、そのまま食べるのがおすすめ。
無添加ベーコン:濃い味の赤身、コクのある脂肪が多いので、旨味が凝縮しています。油をひかず、そのまま焼くとジューシーな味わいを楽しめます。
■原材料:
【無添加ロースハム】豚ロース肉、食塩、砂糖、切干大根、昆布
【無添加ボンレスハム】豚モモ肉、食塩、砂糖、切干大根、昆布
【無添加ベーコン】豚バラ肉、食塩、砂糖、切干大根、昆布
まとめ
加工だけではなく、原料の豚にも安全性を追求して作られている無添加ハムは、素朴でやさしいハム本来の味を楽しむことができます。
無添加なので、お子さんにも安心して食べさせることができます。