日本の伝統食である梅干し。
梅干しには食欲増進や疲労回復といった健康に役立つ成分のほか、美肌や老化防止など、美容にも嬉しい成分が豊富に含まれています。
そうしたことから、美容健康を目的に、梅干しを1日1粒食べる習慣の人もいると思います。
しかしすべての梅干しが、美容健康に良いとは言えません。
なぜなら、市販されている梅干しの多くは「減塩」を目的に水で塩抜きされ、その代わりに、たくさんの添加物が使われるからです。
さらに減塩された梅干しは、水に浸すことで塩だけでなく、大事な栄養分も抜けてしまいます。
このような梅干しでは、食べても美容や健康の役に立たない可能性があるのです。
では、どのような梅干であれば、体に良いのでしょうか。
体に良いのは「伝統的に作られてきた無添加の梅干し」
美容や健康のために梅干しを食べるのであれば、昔ながらの伝統的な無添加梅干しを選びましょう。
伝統的な無添加梅干しは、塩抜きされた梅干しとは異なり、疲労回復効果のあるクエン酸や、ビタミン、ミネラルなど、梅干し本来のパワフルな成分が豊富に含まれています。
ここからは伝統的な無添加梅干しの選び方を紹介します。
はじめに「伝統的な無添加梅干し」と「塩抜きされた梅干し」の違いを、知っておきましょう。
梅干しには「伝統的な梅干し」と「調味された梅干し」がある
梅干しは、作り方の違いによって大きく2種類に分かれます。
1つは昔ながらの製法で出来上がった「伝統的な梅干し」、もう1つは塩抜きして「調味された梅干し」です。
伝統的な梅干しの製法
基本となる梅干しの原材料は梅と塩だけです。
熟した梅を塩漬けにしたあと、数日間天日干しして作ります。こうして出来た梅は「白干梅干し(しらぼしうめぼし)」と呼ばれます。
赤紫蘇漬けの梅は、出来上がった白干梅干しを、赤紫蘇の葉で漬け込んで作ります。原材料は梅、塩、赤紫蘇です。
伝統的な梅干しの特徴
- 塩分は20%前後。昔ながらの酸っぱい味です。
- 常温で保存できます。冷蔵庫に入れる必要はありません。
- 塩分を使ってしっかり作られているので、保存性に優れています。保存に適した環境であれば、100年以上でも持つと言われています。
調味された梅干しの製法
白干し梅として出来上がった梅を水につけて塩抜きし、その後、さまざまな添加物で品質を調整します。塩抜きされた梅は、塩分の量が減ることで保存性、酸味、味が低下するからです。
添加物の例
・保存性を高める:保存料(ソルビン酸など)
・酸味を加える:酸味料、醸造酢
・甘みを加える:(果糖ブドウ糖液糖、人工甘味料など)
・うま味を加える:うま味(アミノ酸等、蛋白加水分解物、酵母エキスなど)
・発色を良くする:着色料(コチニール色素、赤102など)
調味された梅干しの特徴
- 減塩されている(少ないもので3%~)
- 保存性が悪いため、要冷蔵
- 多くの添加物が使われている
- 塩抜きのとき水に浸けられているので、栄養素は低下している
体に良い伝統的な無添加梅干しの選び方
白干梅干しであれば、原材料が「梅、塩」のみの梅干しを選びます。
赤しそ漬け梅干しの場合は、原材料が「梅、塩、赤しそ」の梅干しを選びます。
伝統的な無添加梅干しは、2年、3年と長期間熟成させることができます。長く熟成させることにより、舌を刺激するような塩味が薄れて、味がまろやかになります。
無添加の梅干しを食べたいけれど酸味が苦手な方は、長期熟成された梅干しを選ぶと良いです。
無添加梅干しおすすめ7選
【白干梅干し】株式会社うめ海鮮 紀州南高梅
果肉が厚くふっくらとした食感と、見た目とは反対の強い酸味が特徴
大粒の南高梅を使い、「塩」だけで漬け込んだ、昔ながらの本格梅干し。
原材料名:梅(紀州産)、漬け原材料(食塩)※塩分濃度:約20%
【赤しそ梅干し】紀和のさと 三年漬け 自然農法梅干【紀和の里梅】
無農薬・無化学肥料で育てた梅を長期間熟成させた、まろやかな味わいが特徴
無農薬・無化学肥料の自然農法で、米や野菜を30年以上作り続けてきた実績を活かした梅づくり。
材料は、無農薬・無化学肥料で育てた梅、赤穂の天塩、無農薬・無消毒で育てた赤しそを使用。梅を塩漬けするときには樽を使い、3年間熟成させるというこだわり。
樽の中で長期間熟成させることにより、酸味がまろやかになった梅干しは、昔ながらの素朴な味わい。
原材料:梅、塩(赤穂の天塩)、しそ ※塩分濃度:約15%
【赤しそ梅干し】豊の香梅 梅・紫蘇・塩だけで漬け込んだ梅干し
梅と紫蘇と塩だけで漬け込んだ昔ながらの梅干し、ふんわり柔らかい果肉が特徴
梅と紫蘇の栽培から加工、販売まで行っている農家さんの梅干し。
昔ながらの梅干しにこだわりたい方におすすめ。
原材料:梅・赤紫蘇・天然海水塩 ※塩分濃度:約16%
【赤しそ梅干し】ムソー 有機・梅干
オーガニック食品・自然食品を扱っている食品会社が扱っている梅干し
原材料::有機梅(奈良県産)、漬け原材料〔食塩(シママース)、有機しそ(奈良県産)〕
原料の梅は奈良県産有機栽培を100%使用。伝統製法で仕上げた梅干し。
※塩分濃度:18~20%。
【赤しそ梅干し】「龍神梅」 梅干(小粒)丸樽
徹底的な無添加へのこだわりを持っている生産者さんの作った梅干し
農薬・化学肥料不使用で育てた梅とシソで作った梅干。生産者さんは、無農薬・無化学肥料で栽培した梅に、漂白洗浄や脱塩加工などを一切行わないといった、徹底的な無添加へのこだわりを持っている。
塩は沖縄のシママースを100%使用。
原材料:梅(紀州)、漬け原材料(食塩、しそ)※塩分濃度:約18%
【白干梅干し】熊野のご褒美 紀州 南高梅 ミネラル岩塩使用
ヒマラヤ岩塩の使用により、防腐剤を使わなくても塩分が10%と抑えられているのが特徴
原材料:南高梅 ヒマラヤ岩塩 しそ葉 ※塩分濃度:約10%
ミネラルが豊富なヒマラヤ岩塩を使った梅干し。ヒマラヤ岩塩は物質のサビ(酸化)を取って元に戻すチカラ(還元力)に優れ、カビの発生を抑制する事ができることから、塩分10%でありながら防腐剤は使われていない。
栽培から製造まで自家制作。
【赤しそ梅干し】熊野のご褒美 しそ漬 南高梅
梅干し本来の「酸っぱさ、しょっぱさ、旨み」を感じられる、昔ながらの味が特徴
原材料:南高梅 満月の塩(和歌山産)シソ汁 ※塩分濃度:約18%
塩漬けした南高梅を有機栽培(減農薬)の紫蘇(しそ)に漬込んだ赤しそ梅干し。
肥料は米ぬか、菜種、魚粉など自然培養したもの、害虫対策は、備長炭木搾液を使用するなど、化学農薬、化学肥料を使わず、昔ながらの手法にこだわり栽培から製造まで自家制作された梅干し。
生産者さんは、農作業で発生した不要な葉などを有機資源として、土に循環させるといった循環型環境農法を行っている。
まとめ
梅干しを食べるのであれば、昔ながらの伝統的な無添加梅干しを選びましょう。
伝統的な無添加梅干しは、酸っぱく感じるかもしれませんが、栄養が豊富で、疲労回復やミネラル補給など健康や美容に役立ちます。
調味された梅干しは、添加物が使われているだけではなく、栄養分も抜けている可能性が高いので避けましょう。